Road to India | 世界を駆け巡るgakuのBlog Paddy gaku go around world

Road to India

どうしようもない目の中の違和感に気が付いて目を覚ましたのは、ポカラのペンギン村ゲストハウスのドミトリーの朝方の一室だった。


寝ぼけ眼にあたりを見渡してみると、正確にはそこはドミトリーではなく、そこに泊まる日本人のシングルルームの部屋だった。同じゲストハウスに泊まっていた何人かの日本人が遊びにきて、そのまま寝込んで朝を迎えてしまっただけの、ベットが一つだけある部屋だった。何人かがまだ深い寝息をかいていた。


部屋のテーブルの上には前日の宴の面影を残すかのように、燃えきったお香とロウソクが、カーテンの隙間から入ってくる弱い朝日に照らされぼんやりと見えた。
どうやら、布団もかけずに眠ってしまったらしい、体の節々が痛む。


体の伸びを終えて、一日の始まりにしては「ダルさ」が体にこびりついているのが確認できたあと、再び目に大きな違和感を感じたので、一旦自分の部屋に戻ってコンタクトを外す事にした。昨日もレンズを装着したまま眠ってしまっていた…


部屋に戻り早速コンタクトケースを用意する。
クスリ指で下まぶたを抑えつつ目の中のレンズを人差し指と親指で手際よく取り出す。左眼に続き、右目…という具合に、もう何度もやっているので慣れたものである。


ところが、右目のレンズをはずそうと、指がレンズに触れた瞬間!である。
レンズははずれたものの、異物感と刺激を感じ、目には一気に激痛が走った。タバスコか何かが目に入ったかのような刺激的なヤツである。「何が起こったのか?」と見て確認しようとするも、右目は痛み故に開ける事もままならない。一瞬、軽いパニックに陥った。痛みはドクッ!ドクッ!と心臓のリズムに合わせたかのように、いきなり襲ってきたのである。
しばらくの間、まぶたをギュッと閉じ、じっとしていたのであった。


... というわけで、右目は「ものもらい」のように腫れて、目を閉じといてもゴロゴロごろごろ、と2日間に渡り一日中不快感をもたらすものとなりました。原因は分かりませんが、多分ばい菌です。



こうして、どこに行くこともなく部屋でのんびり休みながらインドの本なんかを読んでいると「自分がほんとにインドについて、何も知らない」という事がよく分かってきました。


目が不自由になり、思わぬところでインドの勉強ができたのも
後から考えてみれば
インドに入る前に、"しっかり体を休めて、良くインドの事を知っておくように…!"という
「インドからの警告」だったのかもしれないと思う…



日本から飛行機直行便。もしくは、バンコク経由。はたまた、ネパール、パキスタンから陸路で国境を越えてくる…


インドへの行き方はいろいろあるが
いずれの方法にせよ
それがその人にとって
「インドから招かれた行き方」
らしい



この旅は僕は当初インドに行くための旅では無かった
けれど、こうしてインドへ行く機会を手に入れていた。

それも、工程がすごい。
何しろ家を出てから海を越えて山を越えて、飛行機も使わず
バスと船と電車とバイクとトラクターでチンタラ地面を蹴りながら9ヶ月もかけてやってきた。


途中、カバン全部無くすし、パスポートも無くすし、永久歯も抜いてきた。エベレストでは下痢がひどく、黄門様はビリビリでおなかのガスは抜けず眠れない夜を送った。


だけれど,こうして目が完治してから、正式にインドに呼ばれるようになるのである。

ここを出れば、3日後にはガンガーで沐浴していることでしょう。



いよいよ、インドです